2022年1月7日。
アラフィフ夫婦で妙見山へ行ってきました。
川を右へ左へと渡りながら歩く「初谷渓谷コース」が楽しいと聞いていましたが、その結果とは……?
今回は、初谷渓谷コースで登り、上杉尾根コースで下る山歩きをご紹介します!
妙見山はこんな山
妙見山は、大阪府・兵庫県にまたがる北摂山系の低山です。
標高は約660m。
山頂近くには「能勢妙見山」という日蓮宗のお寺があるので、お参りが目的の登山者もたくさんおられるのではないでしょうか。
山頂へ向かう登山コースはいくつかありますが、わたしたちは、初谷渓谷コースで登り、上杉尾根コースで下山しました。
少~し見にくい(失礼な)かもしれませんが、アドバイス入りの地図はこちら。
◆妙見口駅から能勢妙見山へのフリーハイキング用マップ/能勢電鉄
情報は少ない(失礼な)けれど、見やすい地図はこちら。
◆ハイキング コース/豊能町観光協会
妙見山ハイキングでの駐車場
妙見山へのアクセスは、電車なら能勢電鉄妙見線妙見口駅が最寄りです。
車なら、妙見口駅前の「四季料理かめたに本店」さんの駐車場が便利ですよ。
止まっている車の正面が妙見口駅、右側の赤いお店がかめたに本店さん、撮影者(わたし)が立っている辺りが駐車場の入口です。
Photo by kii watanabe
Photo by kii watanabe
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あいている場所に車を駐めて、お店で車のナンバーを伝え、料金1,000円を払います。
(「契約駐車場」と書かれている場所でも駐めてよいそうです)
少しお高い気もしますが、時間を気にせず駐められるので、下山が遅れたり、下山後に駐車場で身なりを整えたい場合も安心です。
どのコースでも、この駐車場からスタートできますが、「大堂越えコース」「新滝道コース」なら、妙見の森ケーブルの黒川駅前にある「黒川駅駐車場」のほうが登山口に近いです。
駐車料金は、こちらも1,000円。
最近になって料金が上がったようで、2018年ごろに利用された方の登山ブログでは、「500円」とされていることが多いのでご注意ください~。
初谷渓谷コースで出発!
駐車場横の観光案内所には、わかりやすい地図があります。
Photo by kii watanabe
しっかりチェックして、出発です。
Photo by kii watanabe
わたしたちは、初谷渓谷コースで登るので、駐車場を出てすぐ左へ曲がりました。
電車で来られる場合は、妙見口駅を出てすぐ右ですね。
Photo by kii watanabe
バス停を通りすぎてまっすぐ歩くと、5分ほどで交差点が見えてきます。
Photo by kii watanabe
交差点を渡って10分ほど歩くと奥橋があり、その向こうが登山口です。
Photo by kii watanabe
いきなり炭焼窯と説明板が。
Photo by kii watanabe
登山口が目の前なので、ここはスルーされやすいのではないかと思いますが、この看板は目を通しておくことをおすすめします。
Photo by kii watanabe
その理由とは?
能勢菊炭の窯跡
炭焼窯の説明を読んでおいたほうがいい!と思う理由は、3つあります。
2.途中で見かける奇妙な形のクヌギの謎がとける!
3.川沿いにある「巨大流しそうめん」の正体がわかる!
……まぁ、たいした理由ではありませんね(笑)。
焚き火好き、バーベキュー好きのキャンパーさんなら、シンプルに炭の作り方を楽しめると思いますよ。
わたしはこの説明を見て、「池田炭(能勢菊炭)」に興味を持ちました。
はぜにくく、煙も少ないので茶の湯に使われるそうです。
あの千利休も好んで使ったそうですよ。
お値段は少し高めですが、アウトドアなどでも使える「便利炭(2kg税込み3,000円)」(2022年3月現在)なども販売されているので、ご興味のある方はこちらからどうぞ。
はじめは歩きやすい登山道
初谷渓谷コースは、登山口からしばらく、広くて緩やかな道が続きます。
Photo by kii watanabe
所々に、初谷川で見られる生きものや歴史についての説明板があるので、目をとおしておくと妙見山への理解が深まりますよ。
Photo by kii watanabe
整備された川沿いの道をゆるゆる歩いていくと、さきほどお伝えした奇妙な形のクヌギたちが見えてきます。
Photo by kii watanabe
炭にするため切る→切り株から芽が出て成長→また切る→……を繰り返し、こんな形になるんですね。
うろ(中がからになっている所)ができるのは、虫たちのしわざだそうです。
Photo by kii watanabe
理由がわからないと、木が叫んでるみたいでちょっとコワいですよね。
登山道わきには、こんな穴もありました。
Photo by kii watanabe
これは間歩(まぶ)といって、鉱石を採るために掘った穴だそうです。
江戸のころ、この辺りでは鉱石が採れたので、多くの人が一攫千金を夢見てあちこちの岩を掘ったそうですよ。
ちょっと入ってみましたが、ライトなしではかなりコワかったです。
勇気のある方は、ライト持参でぜひ。
たまごとバナナの朝食セット?
駐車場をスタートして45分ほどの場所に、なにやら不思議なものを見つけました。
Photo by kii watanabe
……ゆで卵とバナナ?
ではなく、「タマゴとキバ」。
登山道をはさんで反対側にある大きな「あしあと」とあわせて、「初谷渓谷憩いの場プロジェクト」だそうです。
・「タマゴとキバ」…繰り返される生と死の象徴
この場所は、初谷川のせせらぎを聞きながら、地球の歴史と未来を想像するための空間で、それぞれの作品はベンチとして座ってよいとのこと。
アート作品だし、写真を撮りたい人がいるかもしれないので、座りにくい気もしますが。
ほかの方の登山ブログで、子どもさんが座っている写真を拝見しましたが、とても楽しそうだったので、やっぱり座ってもいいと思います!
沢渡りは楽しいけれど……
「タマゴとキバ」をすぎたあたりに、こんな看板が。
Photo by kii watanabe
内容は、
……つないでいた手を急に離されたような気分です。
むしろ、ここから案内がいるんじゃないかと思うんですけど。
案内どおり、道が険しくなってきました。
Photo by kii watanabe
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沢渡りもこのあたりからはじまります。
Photo by kii watanabe
道をさえぎる倒木も、一気に増えた気が。
Photo by kii watanabe
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川から離れて、ずいぶん高いところを歩く場所も。
Photo by kii watanabe
沢渡りは12~3回あるそうです。
ときどき、「ここホントに渡るの?」「渡った先の道のほうがけわしくない?」と、迷うところも。
Photo by kii watanabe
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道しるべがないので、前に通った人の踏み跡を探して歩きました。
荒れているように見える登山道も、よく見ると倒木に切り目が。
Photo by kii watanabe
ちゃんと、通れるようにしてくれているんですね。
それにしても、さっきまでのおだやかな道がうそのようです。
Photo by kii watanabe
道沿いに、巨大な「流しそうめん」が出ました。
Photo by kii watanabe
これも、登山口にあった炭焼窯の説明板を読んでいればピンとくるはず。
おそらく炭用の木材を運んだ運搬機のレールではないでしょうか。
わたしたちは、炭焼窯の案内板をきちんと読んでいなかったので、「流しそうめん」しか浮かびませんでした。
まぁ、正解はわからないんですけどね(たぶん流しそうめんではない)。
山頂付近は急坂続き
「流しそうめん」から15分ほど歩くと、車道が見えてきました。
Photo by kii watanabe
ここからしばらく車道を歩きます。
Photo by kii watanabe
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そしてまた山の中へ。
Photo by kii watanabe
この辺りは、急坂が続きます。
Photo by kii watanabe
頂上が近い証拠ですね。
もう一度、一瞬だけ車道へ。
Photo by kii watanabe
反対側に渡って、さらに登ります。
Photo by kii watanabe
ここも急坂ですが、もう一頑張り!
Photo by kii watanabe
何度か二股に分かれますが、たどり着く先は同じです。
車道を渡ったところから7分ほどで、鳥居に到着!
Photo by kii watanabe
一礼して、おじゃまします。
少し歩くと、境内が。
Photo by kii watanabe
写真を撮ったり、説明板を見たりしながらだったので、駐車場からここまで約3時間かかりました。
主祭神はお星さま☆
Photo by kii watanabe
鳥居があるので神社のように感じますが、能勢妙見山は日蓮宗のお寺です。
正式名称は「無漏山眞如寺境外(けいがい)仏堂能勢妙見山」。
能勢町地黄の眞如寺の飛び地境内だそうです。
なにより気になるのは、このお寺が北極星信仰からはじまっている、ということ。
昔は、太陽・月・星を神秘的なものとして崇め、仏教では「妙見大菩薩」と呼んで信仰したそうですよ。
もちろん、能勢妙見山の主祭神も「妙見大菩薩」。
開運、勝運、学問などの御利益があるそうです。
もうひとつ興味深いのは、境内にいる8頭の神馬たち。
・古来、仏神に馬を奉納することは功得甚大(幸福をもたらすよい行ない)といわれていた
これらのことから、能勢妙見山の境内にも、妙見大菩薩を守護する神馬(の像)が8頭存在しているそうです。
わたしは5頭しか見つけられませんでした。
1頭は、初谷渓谷コースから境内へ入ってすぐの「戻り馬」。
戦時中、青銅製だと思って国に提供されたものの、石製だとわかって無事に帰還したというエピソードのある神馬さんです。
「無事に戻る」にあやかりたいと、病気の方や入院する方がお参りに来られるそうですよ。
ほかの4頭は、杉谷尾根コースから鳥居をくぐったところにいました。
Photo by kii watanabe
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なんだかみんな、誇らしげ、というかドヤ顔に見えるんですけど(笑)。
Photo by kii watanabe
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わたしたちは、旅行のたびに乗馬(外乗)するほど馬が好きなので、今にも動き出しそうな神馬たちの像をみて、かなり元気をもらいました!
上杉尾根コースで下山
この日は1月7日だったので、リフトもケーブルも運休中でした。
普段、ほとんど歩かないので、この時点でかなり疲れていましたが、神馬さんたちに元気をもらったので、力をふりしぼって下山します!
帰りは上杉尾根コース。
駐車場側の鳥居を出たらトイレがあり、その前を通って駐車場へ。
Photo by kii watanabe
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駐車場の入口に「上杉尾根コース」の案内があります。
Photo by kii watanabe
駐車場の中を直進すると、正面に上杉尾根コースの入口が。
Photo by kii watanabe
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階段を下りると、しばらく林間が続きますが、すぐに空間が開けて明るい道に出ます。
Photo by kii watanabe
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数年前の台風の影響でしょうか、倒木が多く見られましたが、危険を感じるような場所はありませんでした。
Photo by kii watanabe
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尾根沿いなので、時々強く吹く風がめちゃくちゃ冷たかったです。
歩きながら食べたスニッカーズのチョコとキャラメルが、かちかちに凍ってましたよ。
足下は、ふかふか落葉で歩きやすそうに見えますが、落葉の下には、たくさんのゴロ石が。
Photo by kii watanabe
油断するとねんざしそうで、ついつい足下を見て歩いてしまいますが、こんな場所もあるので注意が必要です。
Photo by kii watanabe
旦那さんは、別の山でこのタイプの倒木に激突したそうですよ。
ホントにぶつかる人、いるんだな(笑)。
山頂から約1時間、ふもと近くまで来たところに、鹿が3頭いました。
見えにくいかもしれませんが……。鹿のおしり、わかりますか?
Photo by kii watanabe
こんな人里近くにいるんですね。
山には食べるものがないのでしょうか。
人間とうまく共存できればいいのですが。
そこから5分ほど歩いて、登山口に到着です。
Photo by kii watanabe
正面の信号を渡って、花折街道を20分ほど歩きます。
Photo by kii watanabe
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ゴールの妙見口駅に到着!
Photo by kii watanabe
山頂の駐車場から、妙見口駅前の駐車場まで、ちょうど1時間30分でした。
思っていたよりハードでしたが、妙見山の歴史に触れることもできて、充実した山歩きとなりました。
初谷渓谷コース&上杉尾根コース、楽しかったです!
まとめ
正直、妙見山は誰でも歩ける初心者向けの山だと、あまく見ていました。
夏なら楽しそうな沢渡りも、真冬に、しかも初めて挑戦するには、精神的になかなかハードでした。
でも次は!
2回目ならもっと楽しめると思うんです……!
初夏のいい季節に、また訪れたいですね。
長文を最後まで読んでくださって、ありがとうございました☆
【データ】
◆2022年度 のせでんハイキングのスケジュールを順次公開します
◆妙見山を楽しむ/ハイキング/日蓮宗霊場 能勢妙見山
◆妙見の森へのアクセス
◆能勢さとやま創造館
◆菊炭友の会
◆能勢妙見山とは
◆シカにやられました/能勢妙見山ブナ守の会
◆能勢街道