おぼれた人を助けに行った人が亡くなる「水難事故の二次被害」。
泳ぎに自信がある方は、「自分なら助けられる……!」と飛び込んでしまいがちですが、この思い込み、本当に危ないんですよ!
わたしも実は、そう思っていた1人でした。
けれど、「赤十字水上安全法救助員Ⅰ」を受講してからは考え方が一変!
川や海などで溺れている人を泳いで助けることは、プロのレスキュー隊でもむずかしいのだということを学びました。
赤十字水上安全法救助員Ⅰのプール実習でまず学んだのは、溺者につかまれたときの「はずし方」でした。
「助け方」じゃないんですよね。
おぼれている人は、死にものぐるいで救助者にしがみついてきます。
その結果、救助者も身動きが取れなくなり、2人ともおぼれる、なんてこともあるようです。
特に、女性や子どもの力はすさまじいそうですよ。
おぼれている子どもを助けに行った人の話では、しがみつかれて服を破られ、肩の肉をえぐられて大変なことになったそうです。
めっちゃ怖い……。
でも、冷静に考えるとそうですよね。
だって、呼吸ができないんですから。
おぼれている人は、何かにつかまろうと必死ですよ。
なので、おぼれている人を見つけた場合、まずやることは
「一秒でも早く119番通報すること(海なら118番の海上保安庁へ)」。
そうすれば、司令員の方がすぐにレスキュー隊を向かわせ、到着まで(約10分)の対処法を指示してくれます。
おそらく、「浮く物を投げて」「長いものにつかまらせて」など、陸上からの救助を要請されるのではないでしょうか。
レスキュー隊が、川で救助する動画を見たことがありますが、到着したレスキュー隊も、すぐに水に飛び込むことはありませんでした。
ロープを張って、ボートを用意して、と、救助の手順を着々とこなしていました。
訓練を積んだレスキュー隊でも、流れる川でおぼれている人を泳いで救助するのは難しい、ということですね。
ちなみに、やむを得ず泳いで救助する場合、溺者の正面からではなく、後ろへ回り込んで救助します。
正面から近づいてつかまれてしまった場合、いったん溺者ごと水中に沈んで、溺者の肩を蹴るなどして引きはがします。
これを、「訓練をつんでいない人が」「流れや波のある水中で」「服を着たまま」やるなんて、無謀だと思いませんか?
ヘタをすれば、溺者が「2人」になってしまい、レスキュー隊の手間が増えてしまいます。
実際には、流された子どもを親御さんが泳いで助けた事例もあるので、「絶対、泳いで助けようとしないで!」とは言えませんが……。
そもそも、水の事故がおこらないように、「水辺で遊ぶときは大人も子どもも万全の装備で」「子どもだけで水辺に行かない」「大人ばかりでも油断しない※」を、みんなで徹底したいですね。
※ 川での事故率は大人だけのグループがダントツNO.1です
「4泳法、泳げる」「水泳大会で優勝した」など、プールでの功績は、川や海ではほぼ関係ありません。
流れにもまれて、少しでも気管に水が入ったら、息が吸えずパニックになっておわりです。
泳ぎに自信のある方は特に、「泳いで助けるのはレスキュー隊でも難しい」ということを、頭の片隅においておいていただけるとうれしいです。
本日のポイント。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました☆
【お役立ちデータ】
溺れた人を見たときの対処法/海上保安庁
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